廃校 光地園小中学校
大樹方面で段丘地形を観察する機会があったので、参加しました。
河成段丘は、川の流れに沿って発達する階段状の地形で、過去に河原だった場所が隆起したり、気候変動の影響を受けたりして形成されます。高い位置にある段丘面ほど古い時代に形成されたものと考えられています。
十勝には10段近くの段丘面があるそうです。
このあたりでは、段丘の高い順(古い順)に、光地園面-幕別面-上更別Ⅰ面-上更別Ⅱ面-上更別Ⅲ面-上札内Ⅰ面-上札内Ⅱa面-上札内Ⅱb面-中札内面、となっているそうです。
○光地園礫層など(中札内村元更別)
茶色が支笏の火山灰、その下に白粘土があるようです。光地園礫層は、
・クサレ礫を含む ・上に白粘土を載せる ・分級が悪い、
などの特徴があるそうです。
上の観察地の更に下、光地園礫層で見られる、クサレ礫です。
軽く叩いただけでばらばらになります。元は花こう岩だったように見えます。
観察地の東の方に見える幕別面。
○無願の坂を下る(更別村-大樹町)
幕別扇状地面-上更別Ⅰ面-上更別Ⅲ面-上札内Ⅱa面(尾田面)と下ってゆきます。
a.幕別面か上更別Ⅰ面
b.上更別Ⅲ面
c.尾田面(上札内Ⅱa面)
バスの中からなので、写真がぶれています。aは段丘面をはっきり覚えていません。
幕別面・上更別Ⅰ面は十勝川に向かっていて、上更別Ⅲ面・尾田面は太平洋に向かっています。このようなことから、歴舟川は十勝川方面に流れていたが、太平洋方面に流れるようになったことがわかるようです。理由は日高山脈の上昇運動、豊頃丘陵の上昇だそうです。
・尾田の市街を過ぎると、歴舟川を渡り、光地園へ向かいます。
○光地園面(大樹町光地園)
標高は約400m。十勝で最も高い河成段丘です。光地園礫層の上に堆積物が載っているそうです。
この写真だけは草丈の低い4月に撮影したものです。古い段丘面なのですが、わりと平坦です。
◆光地園小中学校(大樹町光地園)
光地園面の観察地点から北方向。左に道道の終点が見えるので、右の方が光地園小中学校のあった方向になります。
光地園小中学校跡は正面の数本連なった木々の右の切れ目の右にあったようです。牧草地になっています
ナウマン公園の所から登ります。観察場所がシーニックカフェになっています。飲み物をいただきながら、説明をうけました。
上更別方向は何段にもなっています。畑になっている所は段丘面で、木が生えている所は、段丘崖のことが多いので、よく観察すると段丘がわかります。(木は川沿いにも見られます)
右に見える帯広広尾道が曲がって高い所が上更別Ⅲ面、少し登ったところが上更別Ⅱ面、一番高い所が、上更別Ⅰ面のようです。その先には幕別扇状地面があるようです。
○忠類から上更別へ(忠類-上更別)
この後は、帯広広尾道沿いの道を中札内方向へ進み、段丘を上りながら観察しました。無願の坂の逆になります。忠類市街(上札内Ⅰ面)からスタート。上更別Ⅲ面-上更別Ⅱ面(無願の坂の時はありませんでした)-上更別Ⅰ面、と進み、上更別へ向かいました。
・いつもながら、十勝にこのような所があったのかという所まで案内していただき、ありがとうございました。