しのうしのブログ

たまに外出

釧路方面へ見学に行きました② 釧路海岸の地質(その2)

・少し進み、釧路町に入りました。難読地名が多いことで有名です。紹介以外の説もあります。

又飯時・・・またいとき。「また」+「い」い+「とき」。山田はwakka-ta-etokで「水を・汲む・みなもと」。mataなら「冬」。

昆布干し場を撮ったのですが、奥に又飯時金刀比羅神社が見えています。

吉良ヶ丘釧路町地嵐別か)


眺めのいい場所でした。昆布森方面の海岸地形を観察しました。昆布を拾っている人が見えました。


遠くに見える岩は、立岩・トド岩などのようです。
吉良ヶ丘の地名は、吹雪をついて郵便の逓送に出かけ、殉職したアイヌの吉良平治郎氏によります。石碑「故吉良逓送人殉職記念碑」があります。

地嵐別・・・ちゃらしべつ。「ち」+「あらし」+「べつ」。carse-pet で「チャラチャラと滑り落ちる・川」。

宿徳内釧路町宿徳内)
・海岸に出て、まず東へ進みました。


大きなキノコのようなものが見えました。コンクリュージョンというようです。


小さめのものを見つけました。このような物をノジュールと呼んでいました。コンクリュージョンと同じだと思います。中風防止のクルミの代わりに使えそうな大きさです。


その先に、小さな砂岩脈がありました。釧路の近くに有名な春採太郎という大きな砂岩脈があります。他にも多数あるといいます。地層の亀裂に砂が入り、砂岩脈ができたようです。


金槌の先が方解石。玄能石だったような気がします。


吉良ヶ丘からも見えた、昆布森へのトンネル(中央四角の岩の所)。かつて、昆布森の学校へ通う子ども達のために作られたそうです。

・西側へ移動しました。

地層が傾斜しています。古第三紀の舌辛層。右側の黒い部分の理由ははっきりしないようです。


牡蠣の化石が含まれている層があります。


拾った牡蠣の化石です。


2週間前にえりも町で教わったコハマギクです。他の人に指摘されてわかりました。葉の形などでわかるそうです。

宿徳内・・・しゅくとくない。「しゅく」+「とく」+「ない」。sikutut-us-nay で「エゾネギ・多くある・沢川」

別保公園釧路町別保原野南)


LO-BAZAARで昼食とトイレ休憩を取りました。

別保・・・べっぽ。「べつ」+「ほ」。pet-poで「川っ子」、-poは指小辞。別保市街地に釧路町役場、JRの駅があります。

・昼食後、再び海岸線(道道142)を進みます。アチョロベツ橋を渡り、昆布森を通りました。昆布森は海岸線の中心的な集落で、小学校・中学校があります。かつては駅逓もあったようです。

嬰寄別・・・あっちょろべつ。えい?+「寄ろ」(送り仮名込)+「べつ」。嬰がうまく読めません。atは「楡皮」または「もう一つの」。ci-horo-pet は「我ら・水に漬ける・川」。釧路町史にある、偏が「契」で旁が「鳥」なら「カツ」「ケツ」などと読むようです。

舳提辺・・・えとろんべ。「へ」+「ちょう(テフ)」?+「ベ」。提がうまく読めません。嬰寄別と昆布森間の地名。松浦は島牧村にヱトロツヘ(江泥辺)があり、そこはetu-「岬」に関係するようです。

昆布森・・・こんぶもり。「こん」+「ふ」+「もり」。kompu-moy で「昆布の・入江」。根室には昆布盛があります。

伏古・・・ふしこ。「伏し」(送り仮名込)+「こ」。huskoは「古い」「もとの」。フシコ昆布森からのようです。フシコ昆布森は、節古籠、伏古籠、節古今埋とも書かれたようです。
フシコは道内各所にあります。西帯広駅の旧名は伏古駅。札幌に伏古インターチェンジがあります。

・高台の道道を進みます。海岸へ下る道に地名の看板があります。来止臥、十町瀬、浦雲泊、跡永賀、冬窓床、初無敵などを通って汐見へ下りました。

このあたりでは、石炭を採っていたところがありました。その跡が昆布干し場として利用されているところもあるそうです。

廃村になっていて、下って行く道路が封鎖されているところもあります。歩いて下ることができるようですが、熊の心配はありそうです。


移動中は写真を撮らなかったので、汐見の風景を入れました。

来止臥・・・きとうし。「き」(来の連用形)+「と」める+「フシ」(←うし)。kito-us-iで「ギョウジャニンニク・群生している・所」。「フ」の読みは「う」でしょうか。

十町瀬・・・とまちせ。「と」+「まち」+「せ」。tomaは「エゾエンゴサク」、tuymaは「遠い」。ciseなら「家」。永田はtoma-ci-e-nupで「延胡索野」。

浦雲泊・・・ぽんとまり。「ほ+うん」+「とまり」。pon-tomariで「小さい・泊地」。ポントマリ・ホントマリは各所にある地名です。

龍双霊・・・おそうんくし。龍が襲らしいので、「おそ」う+「そう」+「霊(くし)」ぶ。浦雲泊と跡永賀間の地名。鎌田はo-so-un-kus-iで「そこで・水中のかくれ岩・を・通行する・所」。

跡永賀・・・あとえか。「あと」+「え」い+「か」。atuy-kaで「海の・上」、永田はatuy-oka-keで「海跡」。
1980年に昆布森小学校と統合した跡永賀小学校がありました。

冬窓床・・・ぶいま、ぶゆま。「ふゆ」+「ま」ど+ゆか。漢字はプヨマアトゥイカ(松浦はフヱマトユカ)に当てた3文字でしょうか。puy-oma-iなら「穴・ある・もの」。

初無敵・・・そんてき。「そ」+「ム」(←ん)+「てき」。soは「水中のかくれ岩」「滝」、unは「ある」「そこに入る」。-tekは形容詞を作る。tukは「小山」。「ム」の読みは「ん」でしょうか。