K-Pg境界層を観察に行く機会があったので、参加しました。
恐竜などが絶滅した原因を、約6600万年前に巨大隕石が衝突したことによると考える説があります。
1980年にアルバレス親子らによって提唱された説です。
3年前にも観察に行ったので、K-Pg境界層のことはそちらで書いています。
今のところ、K-Pg境界層は日本ではここだけなので、同じ所になります。
場所は、浦幌町北部。茂川流布川です。
ヒグマ対策は必要です。今回は多人数だったのであまり気になりませんでした。
今回は、わりと近くまでバスで行くことができました。前回より歩く距離が少なかったです。
親切なことに、簡易トイレも用意していただきました。
川に着きました。かつての橋の部分。車が通る所も土砂や流木で埋まっていました。
橋の所から見た上流。川はこちらへ流れているので、右が左岸です。境界層のすぐ上に設置されている説明板が見えます。
左が右岸になります。ポリバケツのあたりが境界層。そこから川を通って、右のスコップのあたりの右方へ。川底の境界層は埋まってしまったようで、今回は見ることができませんでした。
茂川流布川左岸(看板の下)のK-Pg境界層です。黒い部分です。
右に見える白い所は、石灰岩。右(下流)側が白亜紀になるそうです。
こちらは川の右岸の方。ハンマーがあるあたりが境界層。左側が白亜紀。
スケールを置いてくれたので厚さが推定できます。
右岸のここでは目盛が7~16位なので、10cm弱でしょうか。左の白い所が石灰岩。
※ 札幌市厚別区の北海道博物館で、ここのK/Pg境界層の剥ぎ取り標本が公開されているそうです。同館の常設展示室内にある「クローズアップ」展示で 8月8日(木)まで。
その後、隕石の衝突の話を聞き、周辺をいろいろ観察しました。
わかりにくいですが、水の中(石の所)に糸のようなものが動いていたので、教えていただきました。
ハリガネムシというそうです。
これはクリンソウ。このあたりではクリンソウ、トリカブト、カラマツソウなど数種類の植物ばかりがたくさん生えています。
シカが食べなかった植物が残っているそうです。食べないのは毒性があるからだとか。
橋のすぐ上流。アンモナイトDiplomoceras cylindraceum が発見された場所付近です。
境界層より下流です。アンモナイトは渦巻き形ではありません。
そこで発見されたアンモナイトのレプリカを見ながら、アンモナイトの話をうかがいました。
アンモナイトの上に載っている小さな化石は、近くで見つかった(たしか)サンゴだそうです。
そこよりも下流の方でもアンモナイトが発見されています。正面の黒く見えるあたり。
今回は、地球史での生物の大量絶滅の定義のことを学びました。
約1500万年以内に科の10%、属の20%以上が絶滅することをいうそうです。
昼食後、川岸を歩き、いろいろ見て回りました。
このような、川の中に植物と思われる化石を見つけた人がいました。
ヤチダモを水に入れて、下からブラックライトを当てたもの。青く光っています。アオダモだともっと青く見えるそうです。
帰る途中で説明を受けた、網走構造線。バスの中からだったので、ぶれています。
浦幌坂の途中にある駐車場から。利別川沿いの地形を観察しました。
正面の奥は、利別川上流になります。
化石だけでなく、その他のことにも詳しく説明をしていただきました。
専門の人に話を聞きながらだったので、興味を持って観察することができました。
事前に現地へ行き、準備をしてくださった先生方、ありがとうございました。