K-Pg境界層の観察
浦幌町川流布のK-Pg境界層を観察する機会がありましたので、参加させていただきました。
K-Pg境界層とは
今から約6600万年前、微惑星がユカタン半島付近に衝突しました。そのときの粒子などが堆積した地層。名称は中生代白亜紀(ドイツ語でKreide)と新生代古第三紀(英語でPaleogene)からきています。
この衝突は、恐竜絶滅の原因になったとも考えられています。
この微惑星衝突で、地球の環境が激変。当時の生物種の75%ほどが絶滅したといいます。
地球の歴史の中では大量絶滅が他にも数回あったそうですが、これは恐竜が絶滅したことで知られています。
微惑星の大きさは約10kmと推定されています。10km=10000m。ちなみにエベレストの高さは8848m。
衝突時の粉じんやその後の森林火災からのススなどが含まれた黒い層が存在します。他の特徴は、イリジウムという元素を地殻の平均よりも多く含むこと。
また、当時の東北海道は、今の位置よりもはるかに北東にあったそうです。北海道西部はアジア大陸。
境界層は世界中で見つかっていますが、日本ではここだけです。1984年に発見されたそうです。
場所は浦幌川支流の川流布川のそのまた支流の茂川流布川。
バスを降り、ゲートを開けてもらい入ります。ここから歩きになります。
入るとすぐ、このような看板がありました。本当にすぐ後ろに箱わなが。一応、熊鈴をつけてきました。
少し行くとゲートが。この道に沿って茂川流布川をさかのぼります。
進むと、このような案内標識がありました。
更に進んで到着です。橋はなくなりましたが、川の向こうに車が行けるようになっているようです。
ここまで、暑い中歩くこと約30分。
川をわたって、来た方向を見る。
川の左岸に説明板があります。境界層はその下の斜面です。
そこにある黒い筋。これがK-Pg境界層です。見ることができた喜びはあります。が、感動するほど派手なものではありません。
スケールをおいてくれました。ここでの厚さは10㎝内外。
世界中の境界層を見てみると、微惑星の衝突場所からの距離によって厚さがちがうそうです。
黒い層の上が新生代、下が中生代になります。
この川にあてはめると、下流側が中生代にあたります。
K-Pg境界層あたりから下流方向。中央右の道からきました。以前は橋がありました。
橋の数メートル上流の右岸からアンモナイトの化石が出ました。また、橋の数十メートル下流の左岸からも出たということです。白亜紀ですね。その化石は、一般に連想するきれいな渦巻きではなく、直線的なタイプです。浦幌博物館で見られるとのこと。
5年前の写真を少し載せます。流れが変わり、今では橋の上流右岸の河原がわかりにくくなりました。
○なくなった橋
○右岸で見られたK-Pg境界層。河原で見られました。
○右岸でアンモナイトが見つかった場所
・猛暑の中、案内や説明をしてくださった先生方、ありがとうございました。
◇ 川流布・・・一般的には「かわるっぷ」。意味ははっきりしないようです。松浦 カハロウ。山田 kapar-u-p (平たい岩・にある・もの)。kapar-hup (平べったいとど松)。更科 カパルプ(川底が平岩の川) など。kapar なら「薄い」、水中の平らな岩などでよく出てきます。