札内川とその周辺を観察して、十勝平野のでき方などを学ぶ機会があったので参加しました。
札内川は日高山脈の札内岳付近で発し、十勝平野を北流して帯広市街地の東で十勝川と合流します。
松浦武四郎によると、札内川は十勝川第四の支流です。然別川より大きいように感じますが。
◎ 第二大川橋(帯広市大正町)
札内川に架かる第二大川橋の下へ行きました。
川の石は上流から運ばれてきます。札内川の上流は、日高山脈なので、日高山脈を作っている岩石が見られます。深成岩、変成岩、堆積岩などが見られるそうです。写真は下流方向です。
今回は岩石の確認だけだったので、5年前に第二大川橋付近で作った標本です。左から順に、
1段目:花こう岩、細粒花こう岩、閃緑岩①
2段目:閃緑岩②、はんれい岩、ミグマタイト
3段目:片麻岩、ホルンフェルス、ケイ岩
4段目:珪質砂岩、砂岩、粘板岩
今回は甌穴(おうけつ)も見せていただきました。
覆瓦構造(ふくがこうぞう)のお話もありました。火星の話も。
札内川にある多目的ダムです。札内川の上流の方はV字谷になっています。
手前の流木の所はダム湖。
ダムがある所はこのような岩石だそうです。砂岩でしょうか。
下流にある公園からの札内川ダム。重力式コンクリートダム、堤高114m、堤頂長300m。
途中にクマのフンがありました。シカのフンは気がつかずに踏んでました。
◎ ピョウタンの滝(中札内村南札内)
公園で昼食をとりました。写真を撮らなかったので、過去の写真です。虹大橋から見たピョウタンの滝です。
元々は1954年、発電用に造られたダムでした。洪水のため、1年ほどで土砂で埋まってしまいました。今は水が流れ落ちて滝になっています。
周辺は公園として整備され、キャンプなどができます。
◎ 桜六花公園(中札内村南札内)
小高いところ(札内川右岸)にある公園です。名前の通り蝦夷山桜で知られています。
公園にある展望台からです。左の山との間を札内川が流れています。
札内川が平野に出るところです。このあたりを扇頂として扇状地になっているそうです。下流へたくさんの礫が運ばれました。
中札内の近くに、水の湧き出し口がいくつかあるようです。扇状地の湧水でしょうか。
ここでは空港南A遺跡の発掘を行っています。ここで観察させていただきました。
遺跡は旧石器時代のものだそうです。
この付近は1万8千年くらい前の恵庭火山灰の古砂丘がたくさんあります。約4万年前の支笏火山灰と重なったところもあるそうです。
この付近には他にも遺跡があり、砂丘地帯に遺跡が形成されたそうです。
掘っているところを見ただけではあまり古砂丘と感じません。
少し離れてみると、盛り上がっていて古砂丘らしく見えます。
空港が近いので、離陸する飛行機が見えました。離着陸数はそんなに多くはないのです。
◎ 十勝坊主(帯広市泉町)
昨年も訪れた帯広空港西側の十勝坊主です。夏なので周りは草が生えています。
ここへ来るまでの通路はでこぼこでしていました。十勝坊主を踏んできたのかもしれません。
◎ 上札内Ⅰ礫層(幕別町依田)
上流の札内川ダムから約50km下ってきました。上札内Ⅰ礫層が観察できます。手前の道の部分だけでなく、奥の方にも礫層が見えます。
この先は道路よりも左右の畑の方が低くなっています。礫を取り除いて畑にしたようです。
上札内Ⅰ礫層はこのあたりでも厚いようです。
▼札内川・・・十勝川の右岸支流です。sat-nayからだそうです。satは「乾く・乾いた・乾いている」、nayは「沢・川」。
大きな川なので乾いてしまうとは思えないのですが、川の一部(中流など)が季節によって水が見えなくなってしまうことはあるようです。扇状地礫層に伏流水となるようです。道内他所にもサツナイ、オサツナイなどがあります。
・いつものことながら、個人では行けないところへ案内してくださった先生方ありがとうございました。